美容徒然草20│ずっと、笑っていなくていい。
あるカリスマ美容師さんが、こんな話をしてくれました。
働き始めた頃、四六時中笑顔でいるようにしていたそうです。
お客様の前でも、スタッフの前でも、常に感じ良く見られるように、と。
するとある日、「家に帰っても、自分が笑っているのか分からなくなった」と。
笑顔が「動作」ではなく、「状態」になっていたのかもしれません。
また、こんな方もいらっしゃいました。
「私も娘も、口が大きいんです」
そうおっしゃっていましたが、お顔を拝見すると、口角が常に横に引かれた状態で固定されていました。
理由をうかがうと、
「女の子は、いつもニコニコして、夫を支えなさい」
そう教えられて育ち、ご自身もまた、娘さんにそう伝えてきたとのこと。
長年の「正しい笑顔」が、表情の癖として残っていたのです。
施術で力みが抜けたとき、その方の口元は、思っていたよりもずっと自然な大きさでした。
口が大きかったのではなく、横に引き続けていただけだったのです。
笑顔は駄目なの?
笑顔は悪いものではありません。
本心からの笑いは、むしろ顔をゆるめます。
けれど、笑顔を保ち続けると、それは固定になります。
出る → ゆるむ → 戻る。
この循環があってこそ、巡ります。
けれど、「出る → 固定する → 保持する」になると、筋肉は少しずつ疲れていきます。
口元が支えきれなくなり、たるみを感じることもある。
そして時に、「皮膚を切るしかないのでは」と追い詰められてしまうことも。
どうしたらいい?
真顔をしていてもいい。
無表情の時間があってもいい。
笑顔は、頑張って保つものではなく、自然に生まれて、自然に戻るものです。
ずっと笑っていなくていい。
顔は、課された役割を降ろしたときに、本来の位置に戻っていきます。
美容徒然草一覧を見る
体の巡りという視点から、美しさについて書き留めている連載です。
はじめての方は、序章からどうぞ。
その1|焦ると、逆に変わりづらい。
その2|巡りを整えると、個性は消えるのか。
その3|巡るのに、締まらない理由。
その4|変えたい場所だけ、触れていませんか。
その5|潤いは、足すのでなく育てるもの。
その6|テカリと艶は、どう違う?
その7|老化は、劣化ではない。
その8|足し算の美容を、やめる。
その9|肌余りとは、何ですか?
その10|顔のパーツは、連動する。
その11|頭の大きさは、変わらない?
その12|巡れば、オーラが目を覚ます。
その13|削ぎ落した先に、オーラは増す。
その14|巡りは、どこから止まるのか。
その15|夏前のダイエットが、もたらすもの。
その16|体重神話を捨てる。
その17|痩せる=美しくなる、なのか?
その18|なぜか綺麗に見える日の理由
その19|顔にかかる「お面の正体」。
その20|ずっと、笑っていなくていい。

