UBクリームを最初に作った際の本数は3000本でした。

500本くらいなら、まだ気が楽だったと思います。

でも、3000本。

数人しかいない小さなサロンです。

発売した当初は、サロンのお客様が買うだけで、それ以上はほぼ売れていませんでした。

母には、「売れ残ったら私が買うよ」と言われていました。

いや、さすがに無理でしょう。

そんな数ではありません。

ところが、Threadsをきっかけに突然状況が変わりました。

日に100件近い注文が入るようになり、あれだけ減らなかった在庫が、今度はものすごい勢いで減っていきました。

あるとき計算してみたら、7分に1本くらいのペースで売れていました

「7分に1本売れているクリーム」

一度言ってみたかった言葉です(笑)

ちょっと嬉しくなりました。

しかし、喜んでいる場合ではありません。

売れるということは、当然ながら、在庫がなくなるということです

「在庫が少なくなってきました」

私はThreadsでも、在庫が減ってきていることを書いていました。

すると、そのたびに注文が増えました。

「なくなるかもしれない」

と思うと、皆さん心配になるようです。

在庫が少ないと書く。

注文が増える。

さらに在庫が減る。

また書く。

また注文が増える。

パニック買いです

こちらとしては現状をお知らせしているだけなのですが、お知らせすることによって、さらに在庫が減っていきます。

困った循環が始まりました。

再生産はすでに決めていました。

ただし、化粧品は「足りないので来週もう一度作ってください」というわけにはいきません。

3000本を再生産するにも時間がかかる。

そこで、さらに1万本を作ることも決めました。

ほんの少し前まで、

「3000本もどうするんだ」

と言っていた会社が、です。

売れすぎないための値上げ

この頃、UBクリームは値上げもしました。

増産するためには、当然お金も必要です。

そしてもう一つ、あまりにも発送数が多くなりすぎていたので、少し販売のペースを落としたいという事情もありました。

普通なら、「○月○日から値上げします」と事前に大きくお知らせするところでしょう。

でも、それをやったら、

値上げ前にさらに注文が殺到します

毎日大量の荷物を発送していた担当者たちは、すでに大変なことになっていました。

当時の発送部門は、老眼二人。

これ以上増えたら、本当に倒れてしまいます。

そのため、最初の値上げは大々的な予告をしませんでした。

ところが年末には、もう一度価格体系を見直すことになりました。

元旦から、それまで3本以上で無料だった送料を、すべていただく形に変更。

まとめ買いについても、現在のように5本まで段階を作ることにしました。

今度は、きちんと事前にお知らせしました。

すると当然、

年内に買っておこう

となります。

年末、また大量の注文が入りました。

そして年が明けて、1月7日頃。

ついにその日が来ました。

本当に、なくなった

UBクリーム、欠品

これも、一度言ってみたかった言葉でした。

「現在、欠品中です」

なんだかちょっと格好いい(笑)

私は昔から、平常時より非常事態の方が妙に楽しくなるところがあります。

一方、社員たちはまったく楽しくありません。

オンラインショップでは、欠品中も注文を受け付けていました。

商品はない。

でも、注文は毎日入ってくる。

当然、発送待ちのリストだけが、日に日に長くなっていきます。

私たちは普段、かなり発送が早い会社です。

ご愛用者様から「Amazonみたいに早い」と言われることもあります。

だから発送担当の社員たちにとって、商品さえあればすぐ送れるのに送れない。

今日も注文が増えた。

でも送れない。

という状態は、かなりもどかしかったようです。

ついに業務用まで売り始める

通常サイズはありません。

でも、次の入荷までまだ時間があります。

困った私たちは、とうとうサロン用に作っていた約6倍サイズの業務用まで販売することにしました。

さすがにこれは一般のお客様には大きすぎるだろうと思いました。

ところが、買う方がいました。

これにはOEM会社の方も驚いていました。

本来サロンで使うためのサイズまで一般のお客様が買っていく。

最初の頃、スタッフが説明してもなかなか売れなかったあのクリームと、同じものです。

そして欠品してから、「前から気になっていて、そろそろ買おうと思ったら売り切れていました」という方まで現れました。

売れなかった頃には想像もしなかったことでした。

それでも、売らなかった在庫分

ただし、オンラインショップが欠品した時点でも、本当に一本もなかったわけではありません。

サロンのお客様の分だけは、別に残していました。

この方たちは、UBクリームが全国で知られるずっと前から使ってくださっていた方たちです。

売れなかった頃から使い続け、「こんなに良いクリームなのに」と友人に勧めてくださった方もいました。

そして私は、UBクリームを使っているお客様たちに、

「クリームを塗っているから大丈夫」

と、月に一度だった来店を二か月に一度にしてもらっていました。

実際、二か月ぶりに写真を比較して、「これ、半年前の写真ですか?」と本人が驚くくらい変わっていた方もいました。

そんな方たちに、「オンラインショップで全部売れてしまったので、あなたの分もありません」とは言えません。

私にとって、サロンのお客様のために残した在庫は、売れるだけ売るための商品ではなく、信頼の証でした

だから、オンラインショップが欠品しても、そこには手をつけませんでした。

できる限りは。

あと、数本

欠品期間が長くなるにつれて、そのサロン用在庫まで減っていきました。

最後には、本当に数本。

毎回複数本買っていくお客様にも、「今は一本だけ先にお渡ししておき、残りは入荷したら送るので大丈夫でしょうか?」とお願いするところまで来ました。

さすがの私も、この頃には、早く来てくれ、と思っていました。

入荷日まで、本当に指折り数えて待ちました。

一方で、欠品している間にも、初めてUBクリームを購入する方からの予約注文が入っていました。

売るものがないのに、新しい利用者は増えていく。

なんとも不思議な状態です。

1万本が届く前日

そして、ようやく入荷前日。

私は購入を待ってくださっている方たちに、案内を配信しました。

この頃には、すでに200件近い口コミが寄せられていました。

中には、即効性に驚く声もたくさんあります。

欠品している間に口コミを読み、「そんなに変わるなら」と期待を膨らませていた方もいたと思います。

だから私は、再入荷のお知らせと一緒に、こんなことを書きました。

「まず、塗る前に写真を撮っておいてください。

自分では変わっているか分からなくなったら、写真を送ってもらえれば比較します。

顔だけでなく、首まできちんと塗ってください。

肌の状態によっては、いきなり顔から始めず、首や鎖骨、脇の下、鼠径部、膝裏などから様子を見てください。

そして、

初日からクリームでマッサージしまくらないでください。

やりすぎれば、かえってむくむことがあります。」

最後には、「1〜2本使えば、いきなり絶世の美女になるわけではないので、そこはご容赦くださいね」

とも書きました。

7分に1本売れ、200件近い口コミが集まり、欠品し、ようやくの再入荷。

普通なら、もっと期待を煽ってもよさそうな時期です。

でも、私が伝えたかったのは、急がないでくださいということでした。

顔も肌も、ジワジワ変わっていく。

土台から変えていくので、時間がかかる。

当時の私は、「塗った期間の積み重ねは裏切りませんよ」と書いていました。

今読み返してみても、言っていることはあまり変わっていません。

そして、トラックが来た

翌日。

ついに、1万本のUBクリームが届きました。

1万本となると、いつもの宅配便とは違います。

UBクリームを積んだ専用のトラックがやってきました

こちらも人手を集めました。

男手を総動員です。

トラックから段ボールを下ろす。

渡す。

運ぶ。

積む。

また下ろす。

渡す。

運ぶ。

積む。

バケツリレーならぬ段ボールリレーです。

事務所の中に、UBクリームの箱がどんどん積み上がっていきました。

発送部門にとっては、待ちに待った商品です。

でも同時に、目の前には欠品中に積み上がった大量の発送待ちリストがあります。

1万本が到着して、「やった、終わった」ではありません。

ここから発送です

4か月前まで、私たちは3000本を前に、「これどうしようね?」と思っていました。

それが今度は、1万本を積んだトラックを、「やっと来た」と迎えていました。

UBクリームそのものは、何も変わっていません。

そして私が伝えていることも、たいして変わっていません。

たくさん塗ればいいわけではない。

強くやればいいわけでもない。

身体には時間が必要で、変化は積み重なっていく。

変わったのは、このクリームを待っている人の数でした

最初の3000本は、「こんなに作ってどうしよう」と思った3000本でした。

あの日届いた1万本は、「早く来てほしい」と、私たちが待ちわびた1万本でした