美容徒然草23│痩せると、身体の何が変わるのか?
痩せると、身体の何が変わるのか?
先日、ネット上に掲載されていた、あるビフォーアフター写真についてのやり取りで、少し面白いことがありました。
体型が大きく変わっているビフォーアフター写真を見た方が、
「痩せると、おへその形や位置までこんなに変わるのだろうか?」
という疑問を書かれていました。
それを見て私は、
「痩せると、おへその形は変わりますよ」
とコメントしました。
私にとっては、ごく普通のことを言ったつもりでした。
するとその方から、
「私は現在、以前より20kg体重が増えていますが、おへその形は変わっていません」
という趣旨のお返事をいただきました。
なるほど。
ただ、ここで一つ問題があります。
私は、体重が増えていく過程で、おへその形がどのように変わるのかを比較して観察してきたわけではありません。
ですから、増量した場合のおへその変化については、私には分かりません。
一方で、私が長年実際に見てきたのは、
身体が細くなっていく過程で、お腹の皮膚の状態や外形が変わり、それに伴っておへその形や見え方も変わっていくケースです。
私が「痩せると、おへその形は変わりますよ」と書いたのは、こちらの経験からでした。
なお、
「身体が細くなることで、おへその形が変わることはある」
ということと、
「そのビフォーアフター写真が実際の変化を正確に示したものである」
ということは、まったく別の話です。
私は写真の方を存じ上げませんし、撮影の経過を確認したわけでもありません。
ですから、その写真が実際にどのような経緯で撮影されたものなのかについては、私にも分かりません。
ここでお話ししたいのは、あくまで、
身体が細くなっていくとき、私たちの身体では何が変わっているのか?
ということです。
「体重が減った」と「細くなった」は同じ?
一般的に「痩せた」と言えば、体重が減ったという意味で使われることが多いと思います。
もちろん、それも間違いではありません。
でも、少し考えてみてください。
普段、他人はあなたの体重を知りません。
それでも久しぶりに会った人から、
「痩せた?」
と言われることがあります。
その人が見ているのは体重計の数字ではなく、
身体の厚みや幅、輪郭など、見た目の変化です。
つまり私たちは、同じ「痩せた」という言葉の中に、
「体重が減った」
という意味と、
「見た目が細くなった」
という意味を、かなり無意識に混ぜて使っています。
私たちは無意識に「体重=見た目」だと思っている
多くの人は、無意識のうちに、
体重が減る
↓
身体の体積が減る
↓
見た目が細くなる
と一本の線で考えているように思います。
でも実際には、これらは完全な比例関係ではありません。
体重は、身体全体の「重さ」です。
脂肪も、筋肉も、水分も含まれます。
一方で、見た目には、
身体の幅や厚み、
脂肪や筋肉のつき方、
むくみ、
姿勢、
皮膚の状態など、
いくつもの要素が関係します。
だから、同じ5kg減でも同じ見た目にはなりません。
逆に、体重がほとんど変わっていないのに、身体の厚みや輪郭が大きく変わることもあります。
実際、私の施術では、体重はほとんど変わっていないのに見た目が何回りも細くなり、
「体重は変わっていないのに、なんでこんなに体形が違うの?」
と驚かれることがあります。
本人の中にも、
体重=見た目
という前提があるので、目の前でそれと違うことが起きると、一瞬理解が追いつかなくなるのだと思います。
さらに「中身」と「外側」も同じではない
そして、おへその話はここからです。
身体の中身の体積が変わることと、
それを包んでいる外側の皮膚が変わること
も同じではありません。
例えば減量などによって脂肪などが減り、身体の体積が小さくなったとします。
でも、その変化とまったく同じ速度・同じ程度で、外側の皮膚まで引き締まるとは限りません。
特にお腹は、皮膚の余りが出やすい場所です。
だから私は、
中身が小さくなること ≠ 外側の皮膚が引き締まること
として見ています。
一方で、外側の皮膚も変化していけば、お腹全体の見え方は変わります。
当然、その一部であるおへその形や見え方が変わることもあります。
私が最初に何気なく、
「痩せると、おへその形は変わりますよ」
と書いたのは、長年こうした身体の変化を見てきたからでした。
おへその形は、おへそだけで決まっているわけではありません。
お腹を凹ませるだけでも見え方は変わりますし、腹部の厚みやむくみ、皮膚のハリや余り方が変わることでも、縦横の比率や形は変わって見えます。
実際、施術を受けているお客様からも、
「おへそが主張しなくなってきました」
「横長だったおへそが縦長になってきました」
と言われることがあります。
ですから私にとって、身体が細くなっていく過程でおへその形や見え方が変わること自体は、特別珍しいことではありません。
だから、体重が変わらなくても、おへその見え方が変わることはあるのです。
「痩せる」を因数分解してみる
こうして考えてみると、私が普段ひと塊で見ているものは、実はいくつかに分けられます。
体重
体積・中身
幅・厚み・輪郭
皮膚の状態
これらは互いに影響し合いますが、同じものではありません。
それぞれは関係していても、同じ割合で変わるわけではなく、同じタイミングで変わるわけでもありません。
だから、
「体重が大きく変わったのに、おへその形や見た目はあまり変わらない」
こともあれば、
「体重は変わっていないのに、なぜこんなに細く見えるの?」
ということも起こります。
要素を一つずつ分けて見れば、どちらもそれほど不思議なことではありません。
「細くなった。でも、期待していた感じとは違う」
実際、マン・ダムールには、
「主に機械を使った痩身エステで身体は細くなった。でも、皮膚がへにゃっとした感じが残っているのが気になる」
と来店された方が何人かいらっしゃいます。
ここで大切なのは、
細くなっていないわけではない
ということです。
ちゃんと細くなっている。
でも、
身体が細くなることと、外側の皮膚がどう見えるかは、また別の話なのです。
だから、
「痩せた。でも、思っていた身体と何か違う」
ということが起こります。
反対方向の例もあります
出産後すぐに、「産後のお腹が気になる」とご相談いただいた方がいました。
すぐに施術をするのではなく、まずUBクリームを使いながら少し時間を置いていただきました。
そして3か月後、ようやくサロンにいらしたとき。
最初に気にされていたお腹について、ご本人から、
「お腹はもう気にならなくなりました」
と。
私が一度も施術をしていない段階で、です。
ここで言いたいのは、
「産後のお腹にはUBクリームを塗ればいい」
という単純な話ではありません。
見てほしいのは、
見た目の悩みに対して、必ずしも「もっと減らす」ことだけが答えではない
ということです。
中身を減らすことと、外側の状態がどう変わるかは、別々に見た方が分かりやすいのです。
実際、マン・ダムールでUBクリームを継続している方では、体重がほとんど変わっていないのに、身体の厚みや輪郭が変わっていくことがあります。
その過程で一時的に皮膚の余りが目立つことがあっても、私がこれまで見てきた範囲では、その後また皮膚側がついてきて、肌余りが目立ちにくくなっていく例を見ています。
身体の変化は、右肩上がりに「きれい」へ進むとは限らない
ここも、とても大切なところです。
私たちは変化というと、
Before
↓
少し良くなる
↓
もっと良くなる
↓
完成
と、一直線に進むものを想像しがちです。
でも、身体は必ずしもそう動きません。
例えば、こんな経過をたどることがあります。
中身が先に小さくなる
↓
一時的に皮膚の余りが目立つ
↓
外側があとから変化してくる
つまり途中には、
「痩せたのに、むしろ前より気になる」
という時期さえあり得ます。
そこで、
「失敗した」
「もっと痩せなければ」
と、さらに中身だけを減らしてしまうと、別の問題につながることもあります。
変化には過程があります。
完成形だけを見るのではなく、その途中で身体に何が起きているのかを見る。
その過程を置き去りにしないことが大切だと、私は考えています。
ここは、現時点で私が観察している範囲を明確にしておきたいところです。
UBクリームを使いながら身体が変化していく中で、一時的に肌余りのように見える状態が出ることがあります。
私がこれまで見てきた範囲では、そうした変化の途中で起きた肌余りは、その後また皮膚側がついてきて、目立ちにくくなっていく例を見ています。
ただし、UBクリームを使う前から長期間存在し、すでに深刻化している肌余りまで、同じように変化するのか。
そこについては、現時点では私には分かりません。
同じ「肌余り」に見えても、変化の途中で一時的に起きたものと、長期間残り続けているものでは、同じように考えない方がいいと思っています。
分かっているところと、まだ分からないところは、分けて考えています。
特に、大人の減量では
この「中身と外側の時間差」は、30代後半から40代以降の減量では、特に意識しておいた方がいいと私は考えています。
もちろん、全員に同じことが起こるわけではありません。
大きく減量しても、外側がきれいについてくる方もいます。
一方で、
体重は落ちた。
身体も細くなった。
でも、「なぜか思っていたほどスッキリきれいに見えない」。
あるいは、
「痩せたのに、なんとなく疲れて見える」
ということもあります。
それを、
「まだ体重が多いからだ」
と考えて、さらに減らす方向だけへ進む必要があるとは限りません。
足りないのは、「減らすこと」ではないかもしれないからです。
だから「ハリを育てながら、余分を流す」
私が何年も前から、
「ハリを育てながら、余分を流していきましょう」
とお伝えしているのは、そのためです。
余分なものは流していく。
でも同時に、外側のハリも育てていく。
余分を流す
×
ハリを育てる
この2つのアプローチを同時に進めていく。
ただ身体を小さくすることをゴールにしない。
細さだけを追わない。
その人の身体全体が、どう変わっていくのかを見る。
特に大人の身体では、私はこの両方を大切にしています。
身体は、ひとつの数字では読めない
今回のやり取りで、私には当たり前すぎて、途中の説明を飛ばしていたことに気づきました。
身体の施術を長年行っている私の中では、
体重と見た目は同じではない。
中身が変わることと、皮膚が変わることも同じではない。
というのは、1+1=2くらいに自明なことでした。
ですが、一般の方は毎日たくさんの身体を観察しているわけではありません。
「体重が減れば、その分だけ細くなる」
「痩せれば、皮膚も自然についてくる」
「細くなれば、自動的にきれいになる」
と思ってしまっても無理はありません。
実際にそんな単純な世界なら、私も説明が楽なのですが、現実の身体はもう少し複雑です。
✔ 体重と体積は同じではない。
✔ 体積と見た目も同じではない。
✔ 中身の変化と、外側の皮膚の変化も同じではない。
✔ そして、その変化はいつも一直線に進むわけでもない。
だから私は、体重という数字だけではなく、
実際の身体で、何が、どの順番で、どう変わっているのか。
それを常々観察しながら施術しています。
変化には過程があります。
その過程まで含めて身体を整えていくこと。
それが、最終的な見た目を考えるときにも、とても大切なのだと思っています。

