顔の老化は、原因別に分類できる?

SNSを見ていると、

「あなたのたるみはこのタイプ」
「原因はこれ」
「だから対策はこれ」

という、とても分かりやすい図をよく見かけます。

骨が痩せたタイプ。
筋力が低下したタイプ。
脂肪が下がったタイプ。
肌のハリが低下したタイプ。

そして、それぞれに対して、

「骨痩せにはヒアルロン酸」
「筋力低下には筋肉へのアプローチ」
「ハリ低下にはレチノール」

などと、対策まできれいに対応している。

読む側としては、とても分かりやすいです。

自分の顔に近いものを探して、

「ああ、私はこれなんだ」

と思えるから。

ですが、長年多くのお客様の顔を見て、実際に触れて変化させてき私には、このような単純な分類を見るたびに疑問が浮かびます。

本当に、顔の分類はシンプルに分けられるのだろうか?

見えているものは、本当に原因なのか

たとえば、こめかみが痩せて見える顔。

頬に厚みがなく、骨格が目立って見える顔。

こういう顔を見て、

「骨が痩せたからです」

という説明は、一見もっともらしく聞こえます。

年齢とともに骨にも変化が起こること自体は、珍しい話ではありません。

ですが、こめかみが痩せている方を見ると、必ずしも骨が凹んでいるだけではありません。

皮膚が薄く感じられたり、

その下の柔らかな組織が、ふっくらした厚みを失い、縮んだように感じることもあります。

そして実際、施術とホームケアだけを続けているうちに、こめかみや頬がふっくらと柔らかなラインを取り戻していきます。

私には、身体の中で何が起きているのかをすべて見ることはできないので、それを「脂肪が再生した」などと言うつもりはありません。

ただ少なくとも、最初に見えていた「くぼみ」を、そのまま「骨が減った結果」と決めてしまうことはできないと思っています。

「筋力低下によるたるみ」も、本当に筋力だけ?

頬が下がり、フェイスラインやあご下がもたついている。

そんな顔を見て、

「筋力が低下しているから、たるんでいます」

と説明されていることもあります。

ですが、私が施術で同じような顔を見る時には、違う見方をします。

頬の高い位置がとても硬くなっていたり、

首やあご下が動きにくそうだったり、

顔の上側と下側で、組織の状態にずいぶん差があったり。

単純に「筋肉が弱くなって下がった」というより、

使いすぎているところ、動きにくくなっているところ、もたついているところが連動して、一つの顔を作っているように感じます。

だとしたら、筋肉だけを「鍛える」ことが正解でしょうか。

場合によっては、すでに頑張りすぎている筋肉に、さらに頑張らせることになるかもしれません。

肌のハリを戻せば、たるみは全部戻る?

肌のハリがなくなったから、たるんだ。

これも分かりやすい説明です。

では、真皮まで一生懸命ケアして、肌そのもののハリを高めたら、顔全体は元に戻るのでしょうか。

これも、原因はそれだけではないと思っています。

皮膚の下には脂肪があり、筋肉があり、さらにその奥には骨があります。

皮膚だけが一枚、独立して顔に貼られているわけではありません。

皮下組織が薄くなっていたり、硬くなっていたり、

筋肉の使われ方に偏りがあったり、

その下の支え方が変わっていたりして、

それら全部の上に、私たちが「肌」と呼んでいる表面があります。

なので、肌のハリは大切だけれども、

肌だけを見れば、顔全体が説明できるわけでもないのです。

これは脂肪でも、筋肉でも、骨でも同じです。

50代、60代だから、この顔になるわけではない

そしてもう一つ、私が分類をそのまま信じきれない理由があります。

年齢です。

私は50代、60代のお客様も日々見ていますが、年齢を重ねたからといって、皆さんが同じような「老化顔」になっていくとは感じません。

年齢を重ねても、頬の高い所に適度な厚みが出たり、肌にハリが戻ったり、顔全体がふっくらしていくからです。

逆に、若くても初めてご開店の際には、こめかみや頬が痩せて見え、骨格が強く出て見える方もいます。

もし、

「この見た目=骨の老化」

「この見た目=筋力低下」

「この見た目=皮膚の老化」

と一対一で決まるのであれば、年齢とともに、もっと皆が同じ方向へ向かっていくはずです。

ですが、実際の身体は、そんなに揃っていません。

同じ年齢でも違う。

同じ人でも、時期によって変わる。

そして、ケアを続ける中でさらに変わっていくのです。

そのため、私は年齢も一つの変数ではあるけれど、年齢だけが答えではないと思っています。

分類は便利だが、答えとは限らない

分類すること自体が悪いわけではありません。

複雑なものを理解するために、いくつかに分けて考えることは役に立ちます。

私自身も、身体を見る時にはいろいろな要素に分けて考えます。

ただ、問題なのは、

分類したものを、そのまま原因だと信じてしまうこと

そしてさらに、

原因を一つに決めたら、対策まで一つに決めてしまうこと

だと思っています。

顔は、骨、筋肉、脂肪、皮膚が別々に働いているわけではありません。

それぞれが重なり合い、引っ張り合い、支え合いながら、一つの顔を作っています。

見えているたるみやくぼみは、その関係性の結果です。

そのため、私は「この顔だから、原因はこれ」とすぐに決めるよりも、

この人の顔では、今何が起きているのだろう?

と考えるようにしています。

「これしかない」と思わなくていい

美容の相談をした時に、

「これは骨が原因です」

「このままではさらに悪化します」

「だから、この施術をした方がいいです」

と言われたら、不安になることもあると思います。

特に「骨」と言われたら、

もう自分ではどうにもならないのではないか。

これからさらに悪くなるだけなのではないか。

そう感じる方もいるかもしれません。

ですが、一つの説明を聞いただけで、自分の顔の未来まで決めなくていいと私は思っています。

もし心配になったら、まず尋ねてみてください。

「なぜ、そう判断したのですか?」

「他の可能性はありませんか?」

「それをしなければ、どうなるのですか?」

説明を聞いて、自分で十分に納得してから選べばよいと思います。

そして、説明を聞いたけれど、なんとなく腑に落ちない、

うまく丸め込まれたような気がする、

そんな時は、マン・ダムールに聞いていただいても大丈夫です。

私たちが代わりに「正解」を決めるのではなく、

別の角度から、その顔で何が起きているのかを一緒に考えます。

見た目は、原因そのものではありません。

いくつもの組織と、その関係性の結果として、今の顔が見えています。

だから、誰かにつけられた一つのラベルだけで、

自分の身体の可能性まで決めなくていい。

心配になったら、まずは聞いてみてください。お問い合わせは公式LINEよりどうぞ。