2024年11月はじめ。

私たちは、UBクリームの在庫を見ながら、「このままだと、あとしばらくでクリームは完売する」と気づきました。

Threadsで大きく流れが変わった10月の三連休から、まだ1か月も経っていません。

少し前まで、「3000本も作って、どうする?」と言っていたクリームです(笑)

それが今度は、3000本では足りない。

まさか、こんなことで困る日が来るとは思っていませんでした。

そもそも、3000本も作る必要はなかった

ここで少し、最初の3000本の話に戻ります。

UBクリームを商品化するとき、私は最初から3000本も作りたかったわけではありません。

本当は、500本くらいでよかったのです。

スタッフも含めて3人程しかいない小さなサロンです。

まずはサロンのお客様に使っていただいて、なくなったらまた作ればいい。

それくらいに考えていました。

ところが、製造の最小ロットが3000本でした。

商品にするなら、3000本作るしかない。

だから作りました。

そして案の定、最初はなかなか減りませんでした。

母からは、「売れ残ったら私が買うよ」と言われました。

いや、さすがに3000本は無理でしょう。

今になって思えば、もし500本から作ることができていたら、UBクリームはそこで完結していたかもしれません。

サロンのお客様たちは皆さん買ってくださいましたから、500本なら十分に売れたでしょう。

「ちゃんと売れたね。よかったね」で終わっていた可能性があります。

3000本もあったから、オンラインショップを作り、サロンの外にも売る必要がありました。

当時は困ったこの3000本が、結果的にはUBクリームを外の世界へ出す余白になりました。

ところが、その3000本が今度は足りません。

「もう3000本作ればいい」ではなかった

在庫がなくなるなら、追加で作ればいい。

当然、そう考えました。

ところが化粧品は、「なくなりそうなので、来週もう3000本ください」というわけにはいきません。

製造には時間がかかります。

追加生産について確認すると、3000本でも納品はゴールデンウィーク明けになると言われました。

半年近く先です。

その頃には、一日に100件近く注文が入る日もありました。

どう考えても、今ある在庫がそこまでもちません。

そして、仮に何とかゴールデンウィークまで持たせたとしても、また3000本作って、それが短期間でなくなったらどうするのか。

また半年待つのでしょうか。

同じことの繰り返しです。

そこで出てきた数字が、

1万本

完全に未知の世界でした。

これは一時的なバズなのか

今なら、過去の販売数があります。

どのくらいの方がリピートしてくださるのかも分かります。

季節による変動もある程度読めます。

それを見ながら、次の生産数を考えることができます。

でも、このときは違います。

UBクリームが急に売れ始めて、まだ1か月も経っていません。

これは一時的なバズなのか

それとも、一度使った方がその後も使い続けてくださる商品なのか。

判断するだけの時間が、まだ経っていませんでした。

Threadsで話題になっている間だけ売れて、数か月後には誰も見向きもしなくなるかもしれません。

その状態で1万本作ったら、今度こそ本当に大量の在庫を抱えます。

でも、3000本では足りない。

決めなければなりませんでした。

数か月、ありません。では困る

私が一番避けたかったのは、長期間の欠品でした。

すでにUBクリームを毎日のケアとして使い始めている方がたくさんいました。

その方たちに、「次ができるまで数か月ありません」と言ったら、どうなるでしょう。

当然、別の商品を探すと思います。

それはお客様が悪いわけではありません。

毎日使っているものがなくなって、「半年待ってください」と言われても困ります。

せっかくUBクリームを気に入って使い続けてくださっているのに、こちらの生産事情でケアを中断させたくありませんでした。

ならば、作るしかない。

1万本

ずいぶん思い切った決断でした。

今度は、お金が必要になった

もちろん、1万本を作るにはお金が必要です。

しかも、次回生産について確認すると、原材料価格も上がっていました。

前回と同じ条件では作れません。

ついこの間まで、「売れない。どうしよう」と言っていた商品に、今度はまとまった増産資金を用意しなければならなくなりました。

そして、もう一つ問題がありました。

今ある在庫の減る速度も、少し落とさなければならない

このままの勢いで売れ続けたら、1万本を発注したところで、完成するずっと前に在庫がなくなります。

そこで、急遽UBクリームの価格を上げることにしました。

増産のための資金を作る。

そして、在庫がなくなるまでの時間を少しでも延ばす。

当時の私たちには、必要な判断でした。

値上げのお知らせができない

ただ、一つ困ったことがありました。

本来、商品の価格を変更するなら、「○月○日より価格を改定いたします」と、事前にお知らせするべきです。

私たちも、それは分かっています。

でも今回は、それができませんでした。

なぜなら、値上げのお知らせをしたら、さらに売れてしまうからです。

「値上げするなら、その前に買っておこう」

当然そうなります。

ただでさえ、次の生産まで在庫をどう持たせるかを考えて値上げするのに、その告知によって駆け込み注文が殺到したら、本末転倒です。

そして、もう一つ。

発送部門も限界に近づいていました。

老眼二人で発送していました

UBクリームが突然売れ始めた頃、発送部門では毎日大量の荷物を作っていました。

担当は社長と古参の社員の二人。

二人とも老眼です(笑)

注文を確認する。

商品を揃える。

間違いがないか確認する。

梱包する。

発送する。

それを毎日、延々と繰り返す。

ようやく今日の分が終わったと思ったら、また夜に注文が何件も入っています。

当時は昼ご飯を食べる間もなく、よく何日も事務所に泊まり込みで発送作業をしていました(帰る時間が作れなかったため)。

そんな状態で、「来週値上げします!」などと発表したらどうなるか。

在庫より先に、老眼二人がもちません。

そこで申し訳ないと思いながら、今回は事前のお知らせをせず、価格を変更しました。

もちろん、「前の価格で買いたかった」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

事後発表になってしまったことについては、当時もお詫びしました。

でも、UBクリームを一時的に売り切ることよりも、

必要としてくださる方へ、この先も届け続けられることを優先しました。

売れればいい、では終わらなかった

商品を作った頃の私は、

まず、良いクリームを作ることを考えていました。

発売した頃は、3000本をどう売るかを考えていました。

そして売れ始めたら、今度は、どうすれば売り切らずに作り続けられるのか

を考えなければならなくなりました。

商品というのは、売れたら終わりではありません。

毎日使ってくださる人ができたら、なくならないように作る。

必要な数を予測する。

そのためのお金を用意する。

発送できる体制を作る。

それまで私は、サロンで目の前のお客様に施術をする人でした。

UBクリームも、その施術を支えるために作ったものです。

それがいつの間にか、1万本という単位で商品を作り、その先の在庫まで考えなければならなくなっていました。

私たちはこの頃から、否応なく、

「メーカー」としての仕事を始めることになりました

でも、問題は在庫だけではありませんでした。

UBクリームが全国へ広がったことで、サロンのお客様だけを見ていた頃には出会わなかった報告も、少しずつ届き始めていました。

「眉間のシワが濃くなった気がします」

「ニキビができました」

「顔がむくみました」

「赤い点々が出ました」

ほとんどの方から届くのは、驚きや喜びの声です。

それでも、少数の報告を見ているうちに、私は別のことに気づき始めました。

良いものを作ることと、誰もが家で同じように使えるものにすることは、同じではない

どうやらUBクリームは、作って、売って、増産すれば終わり、というものでもなかったようです。

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