Maison Edition│シミケアは、シミだけを見ない 肌全体から考えるホームケア
シミが気になると、どうしてもその茶色い部分だけに目がいきます。
「ここを薄くしたい」
「この一点をどうにかしたい」
「シミ取りのように、そこだけ取れたらいいのに」
そう思うのは自然なことです。
SNSでは、シミのように見える部分がペリッと剥がれたり、短期間で消えていくように見える動画もあります。
ですが、私自身やお客様の肌を長く見てきて感じるのは、
シミだけを、肌全体から切り離して考えない方がいい
ということです。
シミは、肌の表面に貼りついたものではない
シミとして見えている色には、メラニンが関係しています。
メラニンは、表皮の基底層にあるメラノサイトで作られ、周囲の角化細胞へ受け渡されます。
そして、メラニンを含んだ角化細胞は、肌の新陳代謝とともに少しずつ表面方向へ移動していきます。
つまり、シミは「肌の表面に貼りついた茶色いもの」ではありません。
だから、シミケアも「見えているところを取れば終わり」という単純な話ではありません。
肌の中では、もっと長い時間軸で変化が起きています。
シミ取りをすれば、それで終わり?
美容医療で、今見えているシミに直接アプローチする方法もあります。
それを否定するつもりはありません。シミの種類によっては、医療による治療が適しているものもあります。
ただ、「今見えているシミを取ること」と、「その後の肌まで考えること」は別です。
シミを取ったからといって、メラノサイトがいなくなるわけではありません。
肌はその後も紫外線を浴び、炎症などさまざまな刺激を受けながら、日々活動を続けます。
取った=これからシミについて何も考えなくていいという訳ではありません。
医療で取ることを選んだとしても、紫外線対策をし、肌全体を良い状態に保つ日々のケアはその後も続きます。
私はホームケアとシミ取りを、どちらか一方を選ぶものだとは考えていません。
今見えているものにどう対処するか。
これからの肌をどう扱っていくか。
これは別の時間軸の話です。
実際、マン・ダムールにいらっしゃるまで定期的にレーザーなどでシミを取っていたという方も珍しくありません。
それもひとつの選択ですし、私はシミ取りそのものを否定しているわけではありません。
ただ、長くいろいろな方の肌を見ていると、定期的にシミを取っていたことと、肌全体が良い状態にあることは、必ずしも同じではないと感じます。
シミは少なくても、乾燥していたり、刺激を受けやすかったり、肌が薄く感じられたりすることはあります。
反対に、多少の色素沈着があっても、うるおいやハリがあり、全体として健やかに見える肌もあります。
私が見ているのは、シミの数だけではありません。
「シミがあるか、ないか」と「肌全体がどんな状態にあるか」は、分けて考えています。
濃く見えたからといって、すぐに悪化とは限らない
肌を長く観察していると、シミの見え方はずっと一定ではありません。
ある時期に、以前より濃く見えることもあります。
メラニンを含んだ細胞が表面方向へ移動している途中で、色が目立って見えることもありますし、紫外線や炎症など、別の影響を受けていることもあります。
そのため、
「濃くなった=悪くなった」
「薄くなった=もう終わった」
と、一時点だけでは判断するのは性急です。
肌は静止画ではありません。
変わり続けています。
写真を撮る場合も、一枚だけを見るより、数週間、数か月という時間の流れの中で見た方が分かりやすいことがあります。
メラノサイトも、肌全体の中の一要素
シミという結果だけを見ていると、
メラニンを作るメラノサイトだけが、まるで悪者のように見えてしまうことがあります。
でも、メラノサイトも肌を構成している細胞のひとつです。
肌とは無関係に、単独で勝手に活動しているわけではありません。
紫外線、炎症、周囲の細胞とのやり取りなど、さまざまな影響を受けながら働いています。
だから私は、
「シミがあるから、その場所だけを攻める」
というより、
まず肌全体を良い状態に整える
ことを基本にしています。
シミだけが、肌から切り離されて存在しているわけではないからです。
まずは全体をケアを
シミが気になる場合でも、私は基本的には顔全体のケアをおすすめしています。
肌全体を保湿し、乾燥や刺激を避けながら、毎日のケアを続ける。
そのうえで、特に気になるところだけ、少し重点的にケアする、という考え方です。
たとえば、プラセンタ美容液を使う場合なら、
顔全体になじませる
→ 特に気になる部分にもう一度重ねる
→ その上からUBクリーム
という使い方。
シートマスクを使う場合も、基本は顔全体に。
一点だけを特別扱いするのではなく、
全体を整えながら、必要な場所には少し手をかける。
私はこの方法をおすすめすることが多いです。
「シミには何を使えばいい?」と聞かれたら
私がお客様から「シミが気になるのですが、何を使えばいいですか?」と聞かれたとき、必ず一つの商品だけをおすすめするわけではありません。
気になる部分を重点的にケアしたいなら、全体にプラセンタ美容液を付けた後に、気になる部分に重ね付け。
美容液は開封後は要冷蔵のため、管理が面倒な人は、プラセンタパック(ナイトクリーム代わりにUBクリームの上に薄く塗るのも◎)。
毎日コツコツ続けたいならプラセンタ化粧水。
顔全体をまとめてスペシャルケアをしたいなら、プラセンタのシートマスク。
取り入れやすいものをお選びいただき、肌全体のコンディションと相談して気長に続けていくことをおすすめします。
大切なのは、
「シミにはこれ」
と単純に一つの商品に決めることではなく、
今の肌状態、普段のケア、紫外線を浴びる量、乾燥、刺激などを含めて考えることです。
シミだけを、追いかけすぎない
シミがあると、どうしても毎日そこばかり見てしまいます。
昨日より濃い。
今日は薄い。
ここにも増えた気がする。
でも、肌全体が整ってくると、色ムラが減ったり、質感が均一に見えてきたりして、逆に今まで気づかなかったシミが目立って感じることもあります。
なので、私は、シミだけを追いかけすぎないようにおすすめしています。
シミの部分だけではなく、肌全体の色、質感、うるおい、ハリ、刺激の有無など、そうした全体の中で見ていくことをおすすめしています。
シミケアも、肌全体のケアの一部だと思っています。
最後に
私は、シミを「敵」として見つけて、そこだけを取り除こうとはあまり考えません。
肌の中で何が起きているのかを見ながら、時間をかけて整えていく。
そして、必要なところには少し重点を置く。
全体を整えながら、部分を見る。
これはシミに限らず、私が肌や身体を見るときに大切にしている考え方でもあります。
※なお、シミのように見えるものの中には、種類によって美容ケアだけでは判断できないものもあります。形や色、大きさが変わる、急に増える、出血やかゆみなどを伴う場合は、自己判断せず皮膚科など医療機関でご相談ください。
